こんにちは、勤務医の鍵岡と申します。
以前こちらのコラムにて、上あごの歯の根っこの中がどんな構造をしているのか、というお話をさせていただきました。

そこで、今回は下あごの歯についてお話ししようと思います。
具体的には、下の奥歯(以下大臼歯)の根の構造を詳しく述べようと思います。

まず、下の大臼歯は、根が手前と奥に1本ずつの計2本、神経の通る管(以下根管)が手前の根に2本と奥の根に1本の計3本であることが多いです。
しかし、これにもやはり例外があります。

それは主に根管の形や数で、例外が現れる頻度も決して低くありません。

例えば、根管の数が、手前に2本、奥に2本の計4本であることがあります。

この場合、治療時に奥の2本目がなかなか見つからず、或いは見落とされ、不快な症状が長引いてしまうことがあります。

他にも「樋状根―といじょうこん」というパターンが存在します。

これは手前と奥の根管が融合してしまい、さながら雨どいのような形になっている、というものです。

樋状根は治療が比較的難しく、隅々までキレイにして詰めるには熟練を要します。
それ故に我々は、下の大臼歯の治療時には、根管の見落としや掃除のし残りによって患者さんに不快な症状が出ないよう、細心の注意を払うのです。