当院の根管治療

医院・院長

当院では、天然の歯をなるべく保存し、維持して頂くことが大切だと考えております。
そのため、抜歯の原因とされる重度の虫歯や歯周病などに関して、常に技術の研鑽や知識のアップデートに努めています。
その中でも特に、歯の内部にまで進行した重度の虫歯や、根尖性歯周炎(歯の根の先に膿が溜まる病気)に対して行う根管治療にこだわりを持っています。
理事長の呉本勝隆は、大阪大学大学院にて根尖性歯周炎の研究に7年間従事していました。
また、研究の中でラットの歯に対して根管治療を行っていました。

特徴1 治療精度を飛躍的に高める「マイクロスコープ」

このように、人間の歯より遥かに小さい歯に対して根管治療を行っていましたので、とても恵まれた環境の中でトレーニングを行うことが出来ていました。
基本を忠実に守り、確かな技術と最先端の精密機器を用いて、真に質の高い治療を実現しています。
クレモト歯科で根管治療をご検討中の方は是非最後までご覧下さい。

根管治療

虫歯の進行

虫歯は、上図のようにC1~C4へと進行していきます。
C3まで虫歯が進行してしまった場合の治療法は、虫歯菌が感染した神経を取り除き、神経が入っている管(根管)を綺麗に掃除からかぶせ物を装着していきます。
言葉だけをみると、一見簡単な処置のように思えますが、「根管を綺麗に清掃する作業」は非常に難易度が高いです。

ラットの歯と人間の歯との比較写真

なぜなら、左図のように、根管は非常に複雑に入り組んでおり、根管内部は、暗くて狭い上に形状も様々ですので、的確な処置が求められるからです。
しかし、ほとんどの歯科医院で行っている従来の根管治療では、手の感覚だけでの処置になってしまい、汚れが十分に取れないことも多く、従来の根管治療をした歯は、5年後には60%以上の確率で根尖性歯周炎という病気になることがわかっています。これは、保険制度の関係で、根管治療に時間をかけることが難しく、また、最先端の設備が高価であるためです。

再発率の低い根管治療には歯科医院選びが重要

再発率の低い根管治療には歯科医院選びが重要

根管治療は、根管治療専用の医療器具や専門の歯科医師が存在するほど再発率が極めて高く、最も難しいとされる治療の一つです。根管治療における再発率は、将来の抜歯リスクと深く関係しているため、歯を残すためには精度の高い治療が受診できる技術、経験、設備が整った歯科医院選びが重要です。

従来の根管治療(保険治療)と精密根管治療(自費治療)の違い

根管治療は歯科治療の中でも難易度の高い治療と言われています。治療精度を高め、術後の状態をよくするために、設備と技術を駆使した精密根管治療を受診される方が増えてきています。

  従来の根管治療(保険治療)の流れ 当院の精密根管治療の流れ
適用 保険診療のルール 最善の治療が選択できる
概要 ・滅菌されたファイル
・可能であればラバーダム防湿、必要に応じてマイクロスコープの使用 
・現在の痛みをとることのみ重視。精密治療と比較すると予後や再発率が不利  
・全て新品のファイル
・必ずラバーダム防湿とマイクロスコープの使用
・手順や材料にこだわり、最新の治療法で歯にとって最善をつくすことができる
・時間をかけて丁寧に治療ができる 
治療時間 1回30分 1回60~90分
最近に感染した
神経の除去
細菌の除去率:△
必要に応じてマイクロスコープ・ラバーダム使用
細菌の除去率:○
マイクロスコープ・ラバーダム使用
根管充填(除去された部分を密閉) ゴム製材料を使用 MTAやバイオセラミックスを使用

再発率軽減(根管治療成功)には根管治療の精度とかぶせ物の精度が重要

根管治療の精度 かぶせ物の精度 根管治療成功率
91.4%
× 67.6%
× 44.1%
× × 18.1%

(引用元:HA Ray,1995、Inter Endod)

上の表は、歯科業界では広く認知されている根管治療の臨床結果を基に算出されたデータです。最終的な根管治療の成功率は、根管治療の精度と被せ物の精度によって大きく変動すると言う事が分かっています。

特徴

特徴1 治療精度を飛躍的に高める「マイクロスコープ」

マイクロスコープ

「マイクロスコープ」とは、治療部位を拡大して見ることのできる大型の顕微鏡のことです。
根管の中をどの程度見ることができるかが治療の成否を分ける根管治療において、成功率を上げるためには絶対に欠かすことのできない機材といえます。

  • 肉眼肉眼
  • マイクロスコープマイクロスコープ

上の画像が「肉眼」で見た状態と、「マイクロスコープ」で見た状態の比較になります。
どちらの方が精度の高い治療ができるかは一目瞭然です。根管治療においては「見える」「見えない」というのは、治療を成功させるためには非常に大きな違いとなります。

特徴2  「見えない」ものを「見える化」させた「歯科用CT(3次元立体画像)」

フッ素塗布

前述したように、人によって歯の根っこの構造は異なります。
歯根の構造を把握するために多くの歯科医院がレントゲン撮影を試みるのですが、レントゲンでは平面としてしか捉えることができないため、正確な根の構造を知ることは不可能です。
当院が導入している歯科用CTでは、歯の内部を立体的に撮影可能であり、根の構造を正確に把握することができるため、根管治療の成功に大きく貢献しています。

  • レントゲンで撮影した場合レントゲンで撮影した場合
  • 歯科用CTで撮影した場合歯科用CTで撮影した場合

また、根管治療をした歯には、根尖性歯周炎とよばれる病気になる可能性があり、治療せずに放置していると、ある時急に痛みが出たり、骨が溶かされていきます。
この根尖性歯周炎の有無は、レントゲンでも判断可能(ぼんやり黒く映ります)ですが、歯科用CT(3次元立体画像)を利用することで、レントゲンでは見えない部分も可視化することができ、より一層精密な診断・治療が可能となります。
※根尖病巣:下記画像の赤丸が付いている部分です。

特徴2  「見えない」ものを「見える化」させた「歯科用CT(3次元立体画像)」

特徴3 根管治療の成功率を飛躍的に向上させる「ラバーダム防湿」

ラバーダム

ラバーダム防湿とは、治療する歯以外を薄いゴム製シートで覆いかぶせて口腔内の唾液や細菌による治療部位への感染を防止する道具です。
ラバーダムを使用することで、様々な口腔内の細菌が根管に侵入するのを防ぎ、無菌的に処置を行うことが可能となります。逆を言えば、ラバーダム防湿を行わないで行う根管治療は細菌感染の可能性が高まり、再治療の原因ともなります。
根管治療でラバーダム防湿を行うことは欧米では必須の処置となりますが、日本で実施している医院は全国でも数%しかないと言われています。

特徴4 歯に優しい柔軟性を持つ「ニッケルチタンファイル(NiTiファイル)」

ニッケルチタンファイル

根管治療では、虫歯に侵された神経を除去するために「ファイル」と呼ばれる器具を使用します。
このファイルは大きく分けて二種類あり、ひとつが「ステンレスファイル」、もうひとつが「ニッケルチタンファイル(NiTiファイル)」というものです。
多くの歯科医院ではステンレスファイルのみを使用していますが、当院では十分な柔軟性を持ち、より神経を除去できるニッケルチタンファイルも同時に導入しています。
また、当院では数多くの種類のNiTiファイルを用意しており、症例によって柔軟に使い分けております。

特徴5 根管内を洗浄・消毒する「EDTA」[次亜塩素酸ナトリウム]

EDTA

根管治療では、上記でご紹介したファイルと呼ばれる、ステンレス製の器具で根管内の汚れを削っていき、歯質を削る際にカスが出ます。
このカスにはたくさんの菌が存在していますので除去しなければならないのですが、手用の器具では除去しきれないので、削りカスが残ったまま治療が終了しているケースも見受けられます。
1度治療して完治したと思っていた箇所が、再度治療を行わなくてはならなくなる原因となります。

この問題を解決するのが「EDTA」、「次亜塩素酸ナトリウム」という薬剤です。
専門的な話になりますので詳細は割愛させていただきますが、簡単にご説明をしますと、これらの薬剤は、ファイルで生じた削りカスを溶かし、消毒することで根管内を清潔な状態にし、治療の成功率を上げるものです。
当院では、これらの薬剤を用いて根管治療を行っております。

特徴6 再感染を防ぎ、歯質を再生させる「MTAセメント」

MTAセメント

根管治療の最後の仕上げとして「根管充填」というものがあり、これは、歯の神経を取ったことにより空洞になった根管内を、緊密に塞ぐ処置です。根管内をいかに緊密に塞ぐことができるかも、治療の成功率や再発などの予後に影響を及ぼします。
保険適用内の治療では「ガッタパーチャ」と呼ばれる、ゴムのようなもので隙間を塞ぎます。
それに対して、当院の精密根管治療では「MTAやバイオセラミックス」と呼ばれる材料を使用します。
殺菌作用および強い接着性、歯の組織を再生させる効果があるため、治療後の経過が非常に良好になります。

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