こんにちは、勤務医の増田です。
今回は、「フレアアップ」についてお話ししたいと思います。
皆さん普段耳にしたことがない言葉だと思いますが、フレアアップとは簡単に説明すると、根管治療の後に大きな痛みや歯茎の腫れが生じる現象のことを指します。
「えっ、治療したのに痛くなるの?」と不思議に思われると思いますが、論文の研究データーではだいたい10%前後の確率で生じると言われています。
では、なぜ痛みや腫れが生じるのでしょうか?根管治療を行っている歯の中は汚れていて多くの細菌が繁殖している状態です。当然、治療を行って中の汚れや細菌を除去していくのですが、根っこの先まで綺麗にするために必要最小限ではありますが根の先の組織を触ることになります。その刺激によって炎症が急性化することがあり、原因の一つと言われています。他にも、根管洗浄剤(根っこの中を洗う薬剤)による刺激、患者の体調による免疫の低下、など理由はたくさん挙げられ、細菌学的刺激や物理的・化学的刺激あるいは免疫学的要因などが複合して生じると考えられています。
対処法としては、症状の程度によりますが、根管内を洗浄し排膿があればそれを促す。腫れ止めの抗生剤と鎮痛剤の処方を行うことが多いです。
治療を受けた後に、大きな痛みや腫れが生じるため前の治療に何か問題があったのかと、とても不安に感じられると思いますが、適切に対処し治療を続けることで何も問題なく完治します。
当院では、少しでもフレアアップが起こらないように丁寧な治療を心がけておりますので、何か気になることがあればご気軽に相談ください。