先日、第13回日本歯科産業学会春期大会でキーノートスピーカーとして講演を依頼されました。

講演のタイトルは「マイクロスコープとニッケルチタンファイルで行う効率のよい歯内療法」というものでした。

平成26年度の診療報酬改定で歯根端切除手術にマイクロ加算が加わり、28年度診療報酬改定では樋状根や4根管の根管治療にマイクロ加算が加わりました。

一方で、様々なNiTiファイルシステムの出現により、歯内療法がより短時間で行えるようになってきています。

そのため、今まで不採算部門の代表であった歯内療法が採算の取れる治療に変化しました。

「採算が取れる=経費以上の収入が得られる(利益がある)」歯内療法を行うことは、われわれ歯科医師サイドだけでなく、患者やスタッフに対しても重要です。

歯内療法を効率よく行うことで、診療時間と診療回数が減少します。結果として人件費が削減され、売上が上がり、利益が増加します。

その利益を設備の充実や、スタッフに還元することで医院、患者、スタッフの全てにメリットが享受されます。

また、通常の歯内治療を効率良く行うことだけでなく、難治性の歯内療法に対しての戦略も重要です。専門医、大学病院への紹介や歯根端切除手術を活用することで、ひたすら貼薬交換を繰り返すといった医院にとっても患者にとっても不利益な時間を回避することができます。

Initial treatmentに関しては、シングルファイルシステムを用いることで短時間で治療を完了することができます。

Retreatmentに関しては、自らの守備範囲を再考し、「専門医に紹介するor再治療を行わない」という選択肢をもつことが重要です。

診療の効率化を経て医院が潤うことによって、スタッフを潤すことが出来ます。

医院とスタッフが潤うことによって、結果として患者に対して良い診療を行うことが出来ると信じています。

これからも、大切な社員と、患者さんのために歯内療法のシステムを強化していきたいと思います。